推しと舞台と時々オタク

壁打ちブログです

舞台「乱歩奇譚」を観に行った話

※今回もネタバレ全開です。ご注意を。

 

絶賛お盆休み中です。

8/5から上演されていた乱歩奇譚、本当は初日から通いたかったのですが、いかんせん夏休み前で仕事が忙しく…。しかもなぜか金曜日はマチネはやるのにソワレは無く、ずっと不思議に思ってます。誰かのスケジュールの問題ですかね。

結構ツメツメのスケジュールだったので、キャストさんの体調が心配でしたが、無事に千秋楽を終えられて、なぜか私がほっとしています。

 

 

さて、昨日まで上演されていました、舞台「乱歩奇譚 Game of Laplace怪人二十面相~」を観劇してきました。

2015年にノイタミナ枠でアニメが放送、その翌年より3年連続で舞台化され、今回の怪人二十面相にて完結となりました。

 

 

ここからネタバレありです。ご注意を。

 

 

 

 

予習としてアニメを視聴して行きましたが、舞台版オリジナル要素がかなり強かったです。

舞台として3作目、そして完結編。今まで名前だけが出ていた「ナミコシ」そして「怪人二十面相」の真相に迫る今作。

アニメでは描かれていなかった、時計塔での12人の少年少女の謎や、宗教団体「赤いカブトムシ」について詳しく描写されていました。

ナミコシの顔に消えない傷を付けた同級生(ハナサキ)や、ナミコシへのいじめを黙認していた担任(ヤマネ)があんなにも掘り下げられているとは…。

 

アケチとナミコシ、ハシバとコバヤシ、ナカムラとカガミ(あまり描写は無かったですがコモダとハナサキもかな)と、ペアでの思いの描かれ方がすごかったですね。

初めて観た時は、抽象的な言葉が多く、観客に解釈を委ねる部分もかなり多かったので、「?」と頭の中がいっぱいになりましたが(頭が悪い)、考え出すとあれもこれもと気になる点がたくさん出てきました。

 

今回の乱歩奇譚、テーマは「憧れと依存」かなと。

ナミコシへの「罪の意識」を持つアケチ、トキコの事件をきっかけに「断罪」に依存していくカガミ、自分にとって理想の「家族」に依存するワタヌキ、そんな息子からの暴力そして宗教に依存していく母サトコ、そして、「アケチ」という存在に依存しているナミコシ。

赤いカブトムシメンバーも、それぞれ誰かしら、何かしらに依存していました。

それゆえに自我を失い、暴走していく登場人物。

動画配信アプリで大人気となっている、仮面のアバターを使った怪人二十面相ダンスのシーンでのコバヤシのセリフ「みんな自分じゃない誰かになりたいんだよ」、そして度々出てくるニュース風景の、その時の群衆によって手のひらが返される描写。現代への風刺がかなり効いた作品でした。

 

そしておそらく誰しもが気になっている、「ナミコシは本当に生きているのか」。

私は、ナミコシリョウは既に死んでいると思っています。

逃れられない幻としてアケチの中に存在し、波長の合ったコバヤシには見えていた何かなのかなと。

あれだけナミコシに心酔していたヤマネが、成長したナミコシについて一切言及しなかったこと、最後の時計塔で「アケチ先輩についてナミコシさんからしか話を聞いた事がない」と言ったコバヤシに対し、アケチとナミコシとの思い出?懺悔?を話した後に「アケチについて一体誰から…」というハナサキの言葉(しかもこの言葉はコバヤシによって半ば意図的に切られます。)、そしてアケチとナミコシが対峙した時の「僕はそちら側へは行けない」というナミコシの言葉。

そのことから、ナミコシリョウは既に3年前の新宿クロックタワーでの焼身自殺にて死亡しており、あくまで彼らに見えているのは幻なんじゃないかと…。

私の記憶にないだけかもしれませんが、ハシバにはナミコシは見えていなかったはずです。

(女装したコバヤシが「間違ったのはナミコシさんでしょう?」とナミコシが去った円形ステージを指さした時、ハシバはコバヤシの示した方を見て「?」と首を傾げます。)

 

ナミコシが既に死んでいるとすると、あの自殺ショーの時にいたナミコシは何者なのか。

私はAR技術を用いた、アバター的な「ナミコシリョウ」なのではないかと思います。

ラーバは元々AR、拡張現実を駆使したアプリで信者を大量獲得していました。そんな団体ですから、配信を通じてならそんな操作御茶の子さいさいでしょうし、ちゃんとは覚えていませんが報道陣たちの言葉に「制服姿の少年が見えます」というものはあったけれど、ナミコシに言及するものは特になかった気が…。

(覚えている方いたら教えてください。)

 

長年アケチが苦しめられてきた「ナミコシ」という存在、そして同じように「ナミコシ」に苦しめられてきた(?)、ハナサキやヤマネ、それに連鎖するように間接的に「ナミコシ」そして「怪人二十面相」に関わっていく全登場人物…。

見えない神のような存在になった「ナミコシ」は、おそらくですが彼自身が望んだ姿では無いのがまた切ないところで…。

最後のアケチとナミコシが対話をするシーン。「僕はずっと君とゲームがしたいんだ」と無邪気な笑顔を見せるナミコシに、そんな純粋無垢な彼のたった一つの願いが叶うことが無かったのが、なんだかやるせない気持ちになりました。

ナミコシにとって唯一の存在意義となったアケチ、そしてアケチにとってのナミコシもそうだったのでしょうね。

「ナミコシリョウ」という自分の罪とアケチが向き合い、大切な思い出として昇華していく物語なのではないかなと思いました。

 

内容が内容なので、かなりまとめるのに苦労しました(しかもまとまってない)。

他に観ていた方は何を思ったんだろうなぁ。

 

 

話はかなり重たい内容でしたが、笑えるシーンもかなり多くて、めちゃくちゃに笑いました!

特にハシバと影男のラーバダンススタジオでのシーン(笑)。

私が観た回は、プロテイン、片方だけの靴(たぶんハシバ役山中くんの私物?)、影男のブロマイド(しかもランブロw)、大量の紙袋、1000円しか入っていないハシバ坊ちゃんの財布(またまた山中くんの私物)でした(笑)。

毎日影男もとい髙木さんに振り回されていましたが、山中くんってすごい頭の回転が早い方なんだなーと。

特にブロマイドの回の「俺これから譲渡しに行かなきゃいけないし」にはめちゃくちゃ笑いました。知られている…(笑)

 

あとはカガミさんとナカムラさんが飲みに行って帰ってくるシーン。

新宿の謎の空間に落ちそう→落ちる→なぜか川のSEが入る→ナカムラさんが落ちると見せかけてカガミさんを落とす、と毎日変わっていたのですが、千秋楽はすったもんだあってカガミさん「てんこもりじゃないですか…」。

今回の乱歩を観て、ナカムラさんを演じていらっしゃった福地さんがとても素敵な方だなと思ったのですが、どんなトラブル?ハプニング?にも冷静に面白く切り返されていて、すごいなと…。

ミナミ検視官の死体くんの足が別空間(アケチとナカムラさんのいる方)に飛んでいってしまった時も、「大根落ちてたー」としっかり回収されていたり、引越し祝いネタでは完璧に切り返していて、おじさんたち元気だなと(笑)。

そしてミナミ検視官のハイテンション3分間ショッキング、毎回演出が違くてとても好きでした。そして何より足がめちゃくちゃ綺麗。

アニメ版では怪人二十面相側になっていましたが、舞台版は最後まで探偵団たちの味方でしたね。

 

推しについてですが、ああいう儚くてどこか思い詰めている役をやらせたら、右に出るものはいないなぁと改めて思いました。

長年の友人の雰囲気もしっかり出ていたし、穏やかで優しい口調、表情なのにどこか狂気を感じる…。

千秋楽のカーテンコールで、泣くまいと必死に涙を堪えている姿がとても印象的でした。

いい役に、そしていいカンパニーの一員になれて幸せなんだろうなぁと。

 

 

会場が紅葉鬼の時と同じだったので、また観えない部分が多いんじゃないかと心配しましたが、ステージの高さもかなりあるのと、後方席には高さの違うクッションが置かれていたので、何も見えない!ということはありませんでした。

ただ通路がかなり狭く、何度かキャストが行き来する時、通路席に座っているとかなり揺れて驚きました。

そしてexもなかなかに冷房が効いていて、通路近くや後方席に座る時には上着必須だと思いました。

 

 

最後に、ましゅまろ登録してみました。

観劇レポ以外常にネタ切れですので、何かネタをください(切実)。

 

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終わり!